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ハチミツ Miele
無色透明なものから黒蜜のようなものまで、ずらりと台の上に並んだハチミツ、その数20種類以上。買うのに迷うのも当たり前です。 ここは街の広場、週に一度の市の立つ日。あちこちの台の上にはTシャツやズボン、カーテンにテーブルクロス、ベッドシーツなどの日用品、そしてサラミやチーズなどの食料品などが所狭しと並んでいます。ハチミツ屋さんの台は、それらに比べて比較的小さめですが、品物揃えは豊富です。ハチミツだけでなく、プロポリス、顆粒状の花粉、ローヤルゼリー、ハチミツキャンディー、それに蜜蝋で作ったロウソクなど、とてもこれが全て蜂の巣の中にあるものから作られているなんて信じられないほどです。 イタリアでは養蜂が盛んで、北はアルプスから南はシチリアまで、蜂飼いが花を追って移動しています。不思議なことに、同じ花から採れる蜂蜜でも、北のものはしっとりと落ち着いた風味で、南のものは華やかな感じがします。 これほどハチミツが当たり前のようにどの地方にでもあるのには理由があります。まずは歴史の古さ。何しろ神話の中にすでにアリステウスという養蜂家のご先祖様が登場するほどなのです。そして材料である花の豊富さ。南北に長いイタリアでは、一年中どこかの地方で花が咲いています。 でも甘味といえば砂糖。ほしいだけの分量を簡単に量る事ができ、しかも保存が簡単です。 砂糖がイタリアに入ってきたのは12世紀の頃で、当初はアラブから輸入される大変な高級品でした。庶民の料理やお菓子に使われるはずもなく、もっぱら貴族など限られた人たちだけのものだったのです。時代が下りヴェネツィアで生産されるようになると価格も下がり、甘味料の主役の座をハチミツから譲り受けます。
しかし甘味としての役割は砂糖に譲ったとしても、ハチミツでなくてはならない役割があります。それは薬効と花ごとに変わる風味です。例えば栗のハチミツは貧血や肥満の抑制、ユーカリは喘息や咳によく、ラベンダーは虫刺さされに効くとあります。もちろん味も、こってりとした黒蜜の風味がする栗や、シチリアを思い出させるオレンジのさわやかな甘さなど、とてもハチミツとしてひとくくりにすることはできません。20種類のハチミツのセットを買って、一つ一つ味見をしていた研修生が叫びました。「なにこのハチミツ。苦いよ」「どれどれ」他の研修生もスプーンにとって口に運びます。「ウワーッ」いや確かに甘いのですが、同時に口が曲がるほどの苦さ。これはコルベッツォロと呼ばれるヤマモモのハチミツです。サルデーニャ島の特産品で、セアーダスという揚げ菓子に無くてはならないものです。 そうと聞いたら試してみるのがプロ「セアーダスってどう作るんですか」早速質問が来ました。 |
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