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バジリコ Basilico
香草の王といえばバジリコ。ローズマリーやサルヴィア、オレガノなどイタリアで使われているものはたくさんあるのに、何故バジリコがと疑問に思われるかもしれません。でも語源を探ってみればローズマリーは“海の滴”サルヴィアは“健康”そしてバジリコは“王の草”。原産地だといわれているインドからギリシャを通って到着し、ギリシャ名のバズィリコンBASILIKONが変化して、そのままイタリア名になっていったようです。 他の香草が料理の香り付けに使われるのに対して、バジリコにはそれを主に使ったソースがあります。言わずと知れた“ジェノヴァ風ペースト PESTO ALLA GENOVESE”です。“ペースト”というのは“ペスターレ PESTARE”、“粉々にする”“押しつぶす”という言葉からでている名前。ですから作り方も当然、材料を細かくすり潰します。用具は大理石で作った乳鉢−モルタイオ、材料はバジリコとニンニク、オリーヴ油に粉チーズ(ペコリーノ・パルミジャーノ)そして松の実。しかしなんという地元調達品のハーモニー。バジリコはもとより、隣接した地域からのチーズ、海沿いに生える松から採れる松の実、そしてリグーリアの名産オリーヴ油、おまけにモルタイオまでがカッラーラ地方の大理石から作られています。
10月の研修旅行は、リグーリアを南下することから始まります。オリーヴ油の搾油を見て、次に行くのがフォカッチャで有名なレッコ。薄い生地の間にストラッキーノチーズをはさんで焼いたかなり特殊なフォカッチャです。生地のパリッとした感触と、所々にはさまれている溶けかけたチーズのコントラストが面白い、もう一枚もう一枚とくせになってしまう美味しさです。さて、そのフォカッチャで名物なリストランテで行われるのがリグーリアの名物パスタ“トロフィエ” とペースト作りの講習会。トロフィエの名人は5才の時から作りつづけているという70代半ばの女性二人です。生地を小指の先ほどとり、手の端を使って器用にねじり模様をつけ、小指ではじいては次にかかります。しかしその早いことと言ったら、さすが70年のキャリア。手をよく見せてもらえば、なんとトロフィエタコが出来ていました。 次は、そのトロフィエを和えるペーストつくりの名人の登場となります。「バジリコは上の柔らかいところだけを使うこと。松の実はあまり細かく挽きすぎないで、オリーヴ油を入れるタイミングは・・・・」しかし、このモルタイオの威力はなかなかの物、見る間に香り豊かなペーストが出来上がります。 実はこの名人の本職は、モルタイオ作りの・・・名人だったというわけです。「どうりで、こんなに美味しいペーストができるはずだ。」しかし、買って帰りたいとは思っても、旅の途中にこの重さはつらい・・・と研修生全員恨めしげに見つめることしきりでした。 |
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