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オリーヴ油 Olio D'Oliva
リグーリア州のアルベンガは外壁で囲まれた中世の面影を残す町で、その外壁の一角にオリーヴ油搾油所ソンマリーヴァの入り口があります。 研修生たちがここを訪れるのは決まって11月、オリーヴの搾油が始まる時期です。 海に面したリグーリア州は北イタリアであるにもかかわらず、温暖な気候のためにオリーヴ油の産地として有名です。他の州のオリーヴ油がいくつかの種類を混ぜ合わせて作ってあるのに対し、ここリグーリアのものは単種で搾られるという特徴があり、その種類タジャスカの名は原産地タッジャからつけられています。小粒で味が良いので、塩水漬けにしてそのまま食べたり、油にすれば魚料理にぴったりの軽い物ができることでも有名です。 収穫期この一帯ではオリーヴ林の下に網を張りつめ、地面に落ちないように気を使いながら実を丹念に集めます。少し紫がかった粒はその日のうちに搾油所に運ばれ、洗浄されてから大きな石臼で挽かれます。石臼といっても粉を挽くものとは違って、窪みのある下段の臼に対して、上段は二つの石の車輪のようなものが軸でつながれ、真ん中を中心にぐるぐると回るといった形です。そこに洗浄したオリーヴを入れるのですが、この重さにかかってはひとたまりもありません。たちまちペースト状になってその青臭いような香りを搾油所内いっぱいに満たすのです。
つぎに果肉と油を分離するためにかき回し、続いて搾り始めます。でもその状態ではオリーヴと果汁が混ざり合ったままなので、遠心分離機にかけて分け、ようやくオリーブ油の出来上がりとなります。研修生たちは中に入ると、すごい勢いで回り続ける石臼にまず圧倒されます。オリーヴ油の匂いがムッとたち込めるなか、それでも石臼に近づいてその力を確認する者、併設されている昔の道具の置いてある博物館に興味を示す者と、あちこちに散らばります。 そのうちに、自分のオリーヴを油にしてもらうために持ってきたお年寄りと慣れない会話が始まりました。片やリグーリア訛りのイタリア語、片や覚えたてのイタリア語と、どうしても通じるはずはないのですが、なぜか分かり合えるこの不思議さ。 そして次に研修生が行くのは、いつのまにか習慣になってしまった「ファリナータ屋」さんです。ファリナータはリグーリアやトスカーナに伝承されているエジプト豆のお焼き。エジプト豆の粉を一晩オリーヴ油を入れた水につけてから、大きな銅の平たい皿に入れてピッツァ釜で焼きます。焼き立ては外側がカリッと香ばしく、搾りたてのオリーヴ油の風味がする素朴でも魅力的な食べ物。 研修生たちは熱々のファリナータを頬張りつつ、壁に飾られた先輩たちの写真と日本のカレンダーを見つけました。 搾油所のお年寄り、この店の女主人たち。そこはかとない出会いが、また少しイタリアとの絆を強くしてくれたようです。 |
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