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ケッパー Capperi
「エオリアの蘭」シチリア北東部エオリア諸島に咲き乱れるケッパーの花を土地の人はそう呼びます。 赤紫がかった大きな花びらが風に揺れる時、人を魅了する芳しい匂いが流れてくるからでしょうか。でも実際に食用するのは花になる前のつぼみです。生で食べたらそれこそ大変、苦味が口に広がってなかなか抜けません。 食用にするためには、早朝に手づみしたつぼみを、痛んでしまう前にすぐに海塩に漬け込まなければなりません。出てきた水を捨てては新しい塩を加えて数ヶ月、あの独特な風味が出てきたら出来上がりです。あとは使うときに塩抜きをします。 ケッパーとの出会いはエオリア諸島、サリーナ島のそのまた小さな村に行ったときの事です。そこでは、肥沃な大地の栄養分を吸って中身がぎっしりと詰まったケッパーが育ち、独特な風の流れから深い味わいが生まれています。 ケッパーの生産者の家では、ケッパー生産の見学をする他に、手作りパンを習いました。屋外にある薪のオーブン、昔ながらの生地をこねる木の箱、昔と同じ形に成形、発酵させるのは主人のベットの上−まさに数百年前から続けられている家庭でのパン作りです。次に、前もって温めておいたオーブンの灰を取り除き、ようやく発酵したパンを入れて焼き始めます。 さて、その間に発見したのは表に干してあった大粒のケッパーでした。ケッパーはその大きさにもよって使い道が違います。小粒な物はアクセントに、中型は味も風味も一番ケッパーらしいのでソースに、料理にと用途は無限です。大型は、花が咲き始めているので、めしべの食感が強くなります。そこで全てをすりつぶして、ソースにするわけです。
そこにあったものは、塩を洗い落として、お酢に通し、エオリアの太陽と風で乾燥させていたものでした。何気なく摘んで口に入れたとたん、ざらざらした歯ごたえとケッパー独特の風味が口いっぱいに広がります。「美味しい、何これ」さらにもう一つ、そしてもう一つ。これは後をひきます。「何々、美味しいの、ア本当だ」また一人また一人とケッパーの周りに仲間が集まり座り込んでいきます。タップリと食べて満足したあと「いったい今まで食べてきた、スモークサーモンのケッパーって何だったんだろうね」と顔を見合わせながら話すことしきり。形は同じでも、大地の滋味をいっぱい含んで、地中海の風を浴びた食材は味が違います。そんなちょっとした出会いがイタリア料理への理解を深めていきます。 焼きあがったパンは、是非ともケッパーをはさんで食べてみたいものです。 |
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