FICTイタリア料理長期研修
研修生のいる風景(6)


「リストランテアル ボルゴ」 仲田 睦 (FICT第8期生)


 ドロミテの美しい山に抱かれた街ロベレート(トレンティーノ-アルトアディジェ)で仲田さんは新たな一歩を踏み出した。料理人の道を進む前は、なんとアスリートだったという彼女。常にトップを目指すプロスポーツの世界の中で鍛えぬかれた精神力は、並大抵のものではない。『好きなことに取組む。そうじゃないと情熱をもてないし』と語る彼女の情熱の濃さは、我々の想像以上なのだろう。
 都内のリストランテに勤めイタリア料理を学び、渡伊。研修中に訪れたこの地で、その後の人生を変える出会いを経験することとなる。修行先は、ミシュラン一つ星のリストランテ『アル・ボルゴ』。郷土料理はもちろん、シチリア等から直送される新鮮な魚介類も楽しめる店として、地元はもとより近隣のオーストリア人にも人気の店だ。
 もともと『ちょこっと食べておいしいと思う料理より、おかわりしたいと思う料理』に惹かれるという彼女と、この店の料理の精神はピッタリだったのかもしれない。そして何より料理、家族、友人を愛するシェフ ダルサッソ氏の人間性に影響を受けた。料理人としてだけでなく、『人間』として心から尊敬できる人と出会ったのだ。その思いはダルサッソ氏も同じ。物事に情熱や愛情を注ぐ彼女の姿に共鳴し『一緒に仕事をしていこう』と、研修を終えて帰国した彼女をイタリアへ呼び戻したのだ。
 それからはシェフの右腕としてリストランテの厨房に立つ一方で、一昨年には州を巻き込み、食のイベント『メスコランツァ』を立ち上げるなど、新しいチャレンジも重ねてきた。そうして地元の人々からも、大きな評価と信頼を得てきているのである。アル・ボルゴは惜しまれながら昨年末にリストランテの営業を終えたが、仲田さんは現在、ダルサッソ氏と共に料理講習会、オーダーメードの出張料理等を行う会社を立ち上げた。既に、数ヶ月先まで予約が入っているという。今後の夢は・・『今の仕事を軌道にのせ、周囲の信頼を得ること。そして外国人という難しさをクリアして、イタリアでリストランテを開きたい。やるからにはやっぱり星も狙います!』


HOME

 


ict食文化企画有限会社
E-mail:apicio@ict-ict.com