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FICTイタリア料理長期研修
研修生のいる風景(3)
トラットリア マンジャ ペッシェ 雨宮 佳代子(FICT第2期生)
イタリア滞在記録 Da Ovittorio(Recco), David(Porto San Giorgio), Torcoletto(Porto Recanati), Panoramica(L'oranze), Hotel Aquila Edelmeiss(Camigliatello Sirano) この仕事をするなら本当のイタリア料理を見たい。それも本で見るような新しいものではなく普通の人の食べるいつもの「ごはん」、お母さんやおばあさんの作る様な料理が知りたい。そんな想いから決心したイタリア行きですが、経験も浅く、言葉も勉強したわけでもない私が1年8ヶ月もの長い間滞在出来たのは、出会った人たちの優しさと、見るもの全てが新しい発見で興味が尽きることが無かったからでしょう。 一番最初に訪れた研修先は、ジェノバに程近い海沿いの小さな町で100年以上続く、地元の人々で賑わうトラットリア。毎日仕込む生パスタ、繊細で香り高いバジリコで作るペースト、薄い生地にチーズをたっぷりはさみパリっと焼き上げるこの町独特のフォカッチャ食材も料理も新しいことばかりで、とても一度では吸収しきれないほどでした。はじめの頃は大変な出来事も色々ありました。まず、一番大きいのは言葉の壁。相手の言葉が理解できず、自分の考えを上手に伝えられないもどかしさ、それは想像以上に大変なストレスで、それが原因で熱を出して寝込んでしまうほどでした。それでも、食べ物や水を持たせて家でゆっくり休めと早く帰らせてくれたり、薬を買ってきてくれたりという気遣いが緊張をほぐしてくれ、その後すんなりと研修先にとけこめたように思います。夜はみんなで飲みに行ったり、近辺の観光に連れて行ってもらったり、家に招待されておばあちゃんのご飯をご馳走になったりと、徐々に研修先の人たちとも親しくなり、生活に慣れていきました。時が過ぎると、一人でも気軽に市場で色々な食材を見学したり、町の人たちでいっぱいのトラットリアで食事をしたり、研修の仲間と食べ歩きをして様々な料理に出会ったり… 中でも印象に残るのは、4件目の店で一緒に働いたカテリーナという私の母親と同年代のコックさんが提案する地元に古くから伝わる家庭料理の数々でした。日本の彼岸に当たる日に食べるキャベツとパンのスープや、食材が手に入りにくい冬場に作る金時豆と豚皮のスープなどは、イタリアの食文化の根底にあるものを垣間見るような気がしました。日本では知りえないこのような料理に出会えただけでもイタリアに来た甲斐があったと思いました。しかし、それだけでなく、多くの人たちとの出会いから、いろいろな考え方、ものの見方を学べたこと、加えてイタリア人の生活を楽しむ姿勢などが今の自分に大きく影響しているような気がします。 帰国して1年以上経った現在でも昨日の出来事のように思い出す、今までで最も充実した1年8ヶ月でした。
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