お食事会報告
第36回 四谷 リストランテ スペッキオ 百瀬シェフ
テーマ「百瀬幸治シェフの僕のプリモパッソ(最初の一歩)」
平成16年9月6日


 9月のお食事会の舞台となったのは、四ツ谷4丁目にある『スペッキオ』。今年5月にオープンしたばかりのリストランテです。ガラス張りの店内を横目にドアを空け、足を踏み入れてみると…圧倒されるような高さの天井、そして広々とした大理石の空間が現れます。シェフを務めるのはFICTイタリア料理長期研修8期生の百瀬幸治シェフ。研修参加前にはアクアパッツァ青山店でシェフを務めていたという実力派でありながら、研修中は常に「自分のためになんでも吸収しよう」と心がけ、現地ではリストランテ研修の他にローマの日本大使館に勤務した経歴も。今回のテーマは、そんな百瀬シェフの『プリモパッソ(最初の一歩)』と題して、シェフがイタリア各地で見てまわった『イタリアのふだんのごはん』をベースにした料理の数々を味わう会となりました。
 会の始まりは、ヴェネト州ポレンタのフリットとピエモンテ州セモリナ粉のフリットのミスト。こうして粉をベースにしたフリットを2種味わってみると、それぞれの粉のもつ風味の違いがよくわかります。アンティパストは秋の香りただよう二皿。まずは秋の香りをふんだんに取り込んだ9月のサラダ。ピエモンテ州で、秋になると野生の鳥をとってきてグリルしたものを食べているという経験を元に、鶏のグリルと秋の食材・・ポルチーニ、ざくろなどを合わせた贅沢なサラダでした。続いては燻製イイダコのクレープ仕立て。これはシェフが研修したロンバルディア州にある『リストランテ イターリア』の料理がベースになっているそう。現地で使用していたスモークサーモンに変わってイイダコを燻製にし、その上にもっちりとしたクレープを重ねた料理。クレープにはイイダコに合わせてネギの風味を効かせたとか。今回のコースにどうしても加えたかったという、百瀬シェフ思い出の一皿でした。プリモピアットは一気に南へ…サルデーニャの手打ちパスタマッケロ-ニブーザを、この土地の名産のボッタルガと緑の野菜で和えたパスタ。このマッケローニは、中心に紐を置いてパスタ生地を巻きつけ1本1本伸ばしていく、という気の遠くなるように手間のかかるパスタだそう。弾力ある食感でパスタ生地自体の味も強くてとても美味しい一皿なのですが・・こんなに手間のかかるパスタは、なかなかお会いできる機会はないだろう・・と参加者は名残惜しそうに味わっていました。セコンドは、トスカーナの海沿いで学んだというホウボウのロースト。淡白な白身魚であるホウボウに、トスカーナ名産のラルド(豚脂の塩漬け)を巻いてローストした一皿ですが、じゃがいもで作ったサルサとの相性もバツグン!どこか肉じゃが風な味がするこのサルサ…これもイタリア家庭の味だそう。ドルチェには、秋の味わい。栗をつかったセミフレッドにチョコレートを添えて。これは栗、そしてチョコレートのおいしいピエモンテ州からの一皿でした。百瀬シェフの『プリモパッソ』は、参加者の大きなあたたかい拍手に後押しされて踏み出されました。これからもイタリア各地の郷土料理から受け取ったことを大切に、自分の料理を創っていきたい…というシェフの思いに拍手がとまらない、素敵な一夜となりました。

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