お食事会報告
第22回 リストランテ アルベラータ 高師シェフ
テーマ「高師シェフのアルプスに羽ばたく鷲のように」
平成14年10月29日


 日本的な和の雰囲気をただよわせる店構えが多くみられる街、神楽坂。そんな街並みのなかに、今イタリア料理ファンの間で大注目の店「リストランテ アルベラータ」があります。
 一歩店内に足を踏み入れると、イタリアからもってこられたと思われる調度品の数々、そしてグラッパをはじめとした食後酒のボトルたちに目を奪われます。こんな空気に一歩足を踏み入れてしまうと・・いやがおうにもお料理への期待感が高まってしまいます。
 今回すばらしいお食事会を開催してくださった高師シェフは、北イタリアを中心に修行をつまれた経験をもっていらっしゃるということで、日本ではまだなじみの少ないトレンティーノ・アルト・アディジェ州のお料理を中心としたアルプスのお料理を披露してくださいました。
 まずはスペックとニョッコ(パン生地を揚げたもの)にクラウティを添えたつきだしからスタート。クラウティはトレンティーノではよく食べられているという、ドイツのザワークラフトに似たキャベツの酢漬け。こんなところからも、国境近くの州であるという地方性が見てとれます。続いては前菜の盛り合わせ。豚の頭の部分の旨みを凝縮させたテリーヌ、肉のストゥルーデル、カルネサラータ(肉の塩漬け)といった、手の込んだ冷たい肉のお料理が登場です。豚を解体したのち、ムダにすることのないよう各部位をあますとこなく利用する、といったイタリアの料理の知恵を感じながら、そして理屈ぬきに豚のおいしさをしみじみ感じながら楽しませていただきました。次にニジマスと根セロリのピューレを添えた前菜をいただき、、続いてのプリモはやはり地方性を感じるお料理、カネーデルリ。もともとは古くなったパンを利用してつくるニョッキの一種なのですが、やはり高師シェフのお料理は一味ちがいました。カネーデルリとしていただくのに最適になるようにわざわざパンを仕込んで焼き、そしてポルチーニやゴルゴンゾーラ、ほうれん草といった混ぜものを変えて3種類の違った味わいを楽しませてくださいました。その後贅沢にもう一皿のプリモ、ラビオリのチロル風をいただいたのち、セコンドには鹿のお料理をローストと煮込みといった、2種類の違った調理法でいただきました。
 ドルチェをいただきながら、高師シェフの「学んできた地方料理をどうやってイタリア料理料、として認識されて受け入れられていくか、ということにとても悩んだ」というお話を伺いました。今回テーマとなったアルプス地方は、食材があまり豊富でない、決して条件のよくない土地。その土地で学んだ料理をもっとおいしくアレンジすることはいくらでもできる。でも、現地の味を正確に伝えるほうがいいのか、、、これからは食べ手が料理を選ぶ時代だけにとても難しいのです。とお話してくださったシェフ。そんなシェフの思いの数々、そして料理とは幸せと直結するものだ、というシェフの世界観にひたれた今回の参加者はとてもラッキーだったのではないでしょうか。

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