AISイタリアソムリエ協会公認プロフェッショナルソムリエのいる店

Ristorante OSAWA
リストランテ大澤
檜山茂男 (AISイタリアソムリエ長期研修第2期生)


 新宿から中央線に乗り30分、窓から見える景色も徐々に緑を増していき、武蔵小金井駅に着きました。駅からタクシーで5分ほどの距離にあるリストランテ大澤は、昭和38年に建てられた立派な日本家屋の縁側と大広間を改築し、リストランテとしてあります。釘を一本も使わない建築様式の宮大工によって建てられた家屋には、違い棚や欄間などがそのまま残っていて古き良き日本家屋の香りが漂っています。庭をはさみ隣接する蔵は、ギャラリーとして使われています。
 この日は特別暑く、冷房が強にしてあっても大きなガラス窓があるためか、なかなか効きません。すると檜山さんがきりっと冷えたプロセッコを持ってきてくれ、どうぞと一言。さりげなく気の利いたサービスが嬉しいかぎりでした。
 客席数60というホールは、落ち着いた雰囲気を持ち、ゆったりと時間の流れていくのが感じられます。窓から見える日本庭園には草花が生い茂り、季節を意識した料理とともにその時々の旬が楽しめるようになっています。メニューには産地を示した肉や魚、有機栽培の契約農家から仕入れた野菜がふんだんに折りこまれ、素材に対するこだわりが感じられます。何組かのお客様がいましたが、他の人の存在がまるで気にならず居心地がよいのです。そんな印象を持ったのも、檜山さんたちのサービス方式にあるのだと思いました。一人一人のお客様にとても丁寧で、リストランテという空間を最大限に楽しませてくれます。檜山さんは、使う人によって全く違った空間に成り得るリストランテという一つの空間が好きだと言います。お客様がどんな空間をリストランテに求めてやってくるのかをよく理解しなければならない、例えばカップルだったら2人の空間を求めてやってくるだろうし、ビジネスマンは商談に使いたい、お料理を楽しみに来る人もいる。サービスの基本は、必要な時にいて不要な時にいてはいけないというのが檜山さんの考えです。
 もともとはコックとして厨房の中で働いていた檜山さんが、サービスをやるようになったのは単なる偶然からでしたが、料理が好きで、おいしいものを出して心地よい空間を提供するという意味では、コックもカメリエーレも変わりはないと言います。

 プロフェッショナルソムリエの称号を持った今でも、リストランテの一番の売り物は料理と空間であり、決してワインではないと言います。ワインは料理をよりおいしく引き立たせ、楽しんでもらうための一項目にすぎません。もちろんワインについても詳しいのですが、それより大事なことはサービスだと言います。
 サービスマンとしてイタリアで働けるという内容に惹かれ、AISイタリアソムリエ長期研修に参加。しかし、実際檜山さんはイタリアで、期待していたものとは全く違った光景を目にしました。サービスとは呼べないようながさつな振る舞いに初めはがっかり、拒絶し、これでいいのか?という不安感がつのりました。しかし段々とイタリアの空気に慣れていくとその不安は逆に、こういうのもありか、という安心感に変わったと言います。イタリアにいて一番よかったことは、ワインの生産者を訪ね、彼らと直接話しができるということでした。よきにしろ悪きにしろ、実際に生産者と会い、話をするとそのワインのまた違った一面が見えてくるのです。檜山さんは、今でも休みがとれればイタリアへ行き、生産者めぐりを続けています。この間は1ヶ月で30件まわったそうです。檜山さんの、料理とサービスに対する情熱とワインへの向学心はいつまでも尽きそうにありません。


檜山ソムリエおすすめワイン
Ribolla Gialla(Radikon) リボッラ ジャッラ(ラディコン)
名前の通り、白というより黄色をした辛口のワインです。作るブドウの品種も黄色のもので、皮ごと木樽で発酵させたものです。香りはしっかりとしていて、味もボリュームがあり、苦味があります。もう少し熟成していくとよりおいしくなるでしょう。
豚の味がキャベツによくしみ込んだ、“沖縄産寿豚とキャベツの煮込み”によく合うと思います。

住所 東京都小金井市貫井南町1-25-4
TEL 042-382-8811
営業時間
 LUNCH 11:30〜15:00(LO 14:00)
 DINNER 17:30~22:00(LO 20:30)
定休日 月曜日
JR中央線 武蔵小金井駅南口よりタクシーで5分
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