Porco Rosso
ポルコ・ロッソ


 階段を上がっていくとそこは別世界。店内正面にはベネツィアのアンティックな鏡とカーニバルのマスクが飾ってあります。これは右近さんの初めの研修先がベネツィアの“リストランテ・アメーリア”だったから。聞けばそこの同僚と今でもお付き合いがあって、クリスマスになるとパンドーロなどが送られてくるそうです。
 北陸敦賀の“リストランテ ポルコ・ロッソ”のオーナーシェフ右近さんのイタリアとのつながりはそれだけではありません。「塩は研修旅行の時に行ったシチリアのモツィアのものです。オリーヴ油も二つ目の研修先ブリズィゲッラほか4種類を使い分けていますよ。」
 壁に飾られている写真は各地で撮った食材ばかり。そのひとつひとつが思い出と結びつき、現地で出会った人と結びついているのです。
 見回してみればおあちこちに人形が飾ってあります。これは右近さんの“人間大好き”という気持ちの表れかもしれません。
 さて、テーブルの上に運ばれてきたのは奥様手作りの焼き立てパンと、研修先でよく飲んだというスプマンテ・プロセッコ…ということは今日はヴェネト料理が主なのでしょうか。
 前菜はヴェネツィアでよく見かけるカニの料理です。続いて自家製ブレサオラ(牛肉の干し肉。北イタリアアルプス山中の特産品)と白ポレンタ。脱皮ガニの揚げ物、ちりめんキャベツとグアンチャーレ(塩漬け豚ほほ肉)であえたパッパルデッレ…ヴェネツィアを中心とした北イタリアの料理が続きます。
 しかしよく食材を集めたものです。
 「いや、今ではイタリア野菜も入ってくるようになりましたし、ルーコラも福井で採れるんですよ。トマトは自家製です。そうそうブレサオラもまた自家製。北陸は海のものが美味しいだけでなく、肉も良いですからね。素材に困ることはありません。」
 東京で広告代理店に勤めていたという経歴の右近さんが、ふるさとに戻ってまずはじめたお店が時代屋という、階下にある洋風居酒屋。 その小さな厨房で料理を作っている間に右近さんの心の中に育ってきたのが“本物のイタリア料理を作りたい”という気持ちでした。そして一年がかりで準備をして、飛び込んだのがFICTイタリア料理長期研修でした。
 「まだまだここではイタリア料理だけでやっていくのは難しいものがあります。時代屋が支えてくれるからやっていけるんですよ。でも“ポルコ・ロッソ”は僕の夢を実現したものですから。ここにいると人生って楽しいなあって、つくづく思いますよ。」と、はにかみながら笑う右近さんの横には、微笑を浮かべている奥様がいました。 

住所 〒914-0051
 福井県敦賀市本町1-7-35-2F
TEL 0770-25-8797
シェフ 右近 亨
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ict食文化企画有限会社
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