10月1日(火)
 とうとう試験の日がやってきた。1週間ほど前からフランチャコルタに仲間4人が集まって、勉強していた。ミラノに入ったのは一昨日。準備のほどは、まさにAbbastanza(まあまあ)という言葉がピッタリ。
 試験は意外な質問が続いた。最初こそ、ウンブリアの料理やワイン、瓶内二次発酵のイタリアワインの質問だったが、その後は他の国にとんだ。カヴァのブドウ品種・ポートワインの製造方法・シャンパーニュのクリュのこと・・・。思えば日本のソムリエ試験で覚えたことだったが、記憶の片隅にかすかに残っているだけだった。料理とワインの相性(Abbinamento アッビナメント)の問題で、決定的な間違いをしてしまった。というか勉強不足だったのかも。その間違いで、タストヴァンの色が金から銀に変わってしまったと思う。プロフェッショニスタには、なれなかった。
 以前、様々な試験をくぐってきた僕にしては、気合いの入り方が少なかった。なぜか?いまだに分からない。一つ言えることは、この6か月間期待していた以上のことが出来てしまった。これほど満足のいった半年は未だ経験したことがないほど。十分にやることはやったという満足感が、やる気をそいでしまったのか・・・。
 試験のやり方に疑問を持ちつつも、自分なりに納得した。来年がある。またイタリアに滞在する理由ができた。

10月13日(日)
 試験が終わって、半月が過ぎる。最近していることは小説を読むこと。イタリアで日本の小説を読まなくていいような気もするが、でもなんだか素晴らしい作品は心を和ませてくれる。この半年やってきたことを振り返りつつ、しみじみした気分に浸っている。
 さて、今日はガットマンモーネの仲間たちと超豪華なワインを持ち寄って近くの街のリストランテへ繰り出した。メインは「マッセート(Masseto) 89」。さらに「ラッパリータ(L'Appalita) 96」、「メッソーリオ(Messorio) 98」、「バローロ カンヌビ ボスキス(Cannubi Boschis) 97 ルチャーノ サンドローネ(Luciano Sandrone)」、「コッリオ リボッラ(Collio Ribolla) 97 グラヴネル(Gravnel)」、「アルト・アディジェ ソーヴィニョン クワルツ(Alto-Adige Sauvignon Quarz) 2000」。偶然出合った友達の持っていた「シャトー コスデストゥーネル(Ch.Cos d'Estournel) 98」・・・。あー、幸せな一日だった。

10月18日(金)
 そろそろ、来年の長期ソムリエ研修の募集が始まったよう。これを見てどうしようか悩んでいる人もいるんでしょうか??今年の仲間の話を聞くと、研修先のリストランテによってかなり差があるよう。僕のように夏に休みをもらえるところ、もらえないところ。バンケットをやっていて週末は朝方まで働くところ。部屋にはテレビもなけりゃ、シャワーは水しか出ない(もちろん他の所で浴びてたみたい)、裸電球1つのところ。日常品を買いに行くのに車でないと行けないところ・・・。え?あんまりいいこと書いてないって?はー、そうなんです。はっきり言って日本で出来ている生活は出来ません!僕はかなり恵まれてた。10万人ほどの街の真ん中にあり、夏休みがあり、一人部屋にテレビが付いていて、シャワーが自由に浴びれた。でもね、恵まれすぎているとあまりいい成績にならないってこともある?かもね。
 でも、トリノでは皆、文句を言いたい放題言っていたものの、最終的に試験の発表のあとは涙流して抱きあってたよ。辛いことがあって、結果を残して、初めて充実感があるのかなって、当たり前だけど身にしみた。僕は恵まれていたぶん試験がダメで、なんか一人ポツンとカヤの外だった。充実感がないまま試験に臨んで、ダメで、そりゃ気持ちの盛り上がりなんてないよ。
 さて、もしも悩んでいる人で僕が力になれるんだったら協力しますよ。メールをもらえれば答えられることは答えます。どうです長本さん?この案。それでは来年の試験、ミラノで会いましょう。僕は金(Oro)を取ると断言しときます。

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