8月19日、今日から日本人の友人2人と合流。一人だけの旅よりは何人かいた方がいいよね!イタリア語をかなり上手に話す2人なので、心強い。分からないことは助けてもらおう!さて、早起きして向かった先はアルト・アディジェ(Alto Adige)。ボルツァーノという街を中心にした県で、ドイツ語では「スドゥ チロル」という。二次大戦前まではオーストリアの領土だったこともあり、日常会話はほとんどドイツ語。人にもよるが、イタリア語がかなりドイツ語なまりになっていて聞き取りにくかった。街の雰囲気も、オーストリア・スイスといった感じ。そう、ワインのラベル表記はイタリア語とドイツ語両方で書いてある。日本でもたまに見かけたっけ。畑の名前なんかはドイツ語しか書いてなくて、けっこう読むのが大変だったりする。
さて、午前中の訪問は「テルラーノ(Terlano)」。アルト・アディジェのカンティーナで真っ先に予約を入れたところ。ミネラルに富んで、繊細できめが細かく豊かに香る白ワインを造っている。赤でも、ラグレイン(Lagrein)を中心に、メルローやカベルネも造っている。
カンティーナの中はやっぱり大樽とバリック、ステンレスタンクが並んでいる普通のもの・・・。少し変わっているなと思ったのは、まだ木の大樽でも発酵をするということくらい。っと思いきや、最後に見せてもらった一番下の階の一番奥に小さなステンレスタンクが並んでいる。この中に入っているのは、なんと白ワインのオールドヴィンテージ。今年発売されたのは、「アルト・アディジェ(A・A) テルラーネル(Terlaner) 91」。シャルドネ・ピノビアンコ・ソーヴィニョンのブレンド。昨年発売されたのは、「A・A シャルドネ 91」。2・3年前には「A・A ピノビアンコ 79」が発売されている。白ワインを10年以上もステンレスタンクの中で熟成させているところなんて、聞いたことが無い。まだまだここには古い白が寝かされているとのこと。いったいどんなワインなのか興味心身なのは、ガンベロロッソでトレビッキエーリを取っていたり、色々なガイドで好評価だからなおさらだ。
さて、カンティーナの中でよだれが出そうになったところで試飲の時間。ちゃんとグラスが準備されていて、そこに並んでいたワインには今までよく飲んでいた「安い」ワインが無い。普通のカンティーナでは、当然といえば当然だが、高いワインを試飲には出したがらない。一番安い価格帯のワインを数本と、看板になるワインを1本という感じ。ここでは逆だった!これでは比較にならないので、安い価格帯のワインを1本加えてくださいとお願いした次第・・・。嬉しかった!さて1番手は、お願いして出してもらった一番安い価格の「A・A テルラーネル(Terlaner) 2001」、こちらもブレンドでシャルドネからは豊かな味わい、ソーヴィニョンからはフレッシュな香りと爽やかさ、ピノビアンコからはエレガントさを得て、またその調和の取れ方が素晴らしい。どれも個性を活かしながらまとまった味わいになっている。「A・A ピノビアンコ ヴォルベグ(Vorbeg) 99」、これは真ん中の価格帯、畑名の入ったもの。厚みのあるボディーで、生クリームソースの料理と合いそうな感じ。白い花の香り。少し閉じている感じで、数年待ちたいワインだ。「A・A ソーヴィニョン クワルツ(Quarz) 2000」、どっしりした瓶に入ったここの看板ワインの一つ。ソーヴィニョンらしい爽やかさに加え、エレガントさ・豊かな味わい・・・、すべてを備えている。そして、豊かなミネラル。クワルツとはドイツ語で石英の意味。この畑にはたくさんの石英があるとのこと。イタリア最高のソーヴィニョンのひとつだ。さて、待っていました「A・A テルラーネル 91」、こういうタイプのワインは他に存在するんだろうか。香りはハチミツの香りが強く、味わいは本当にバランスが取れている。何と表現したらいいのだろう。この熟成を経ても酸味は活き活きしていて、でもしっかりとワインに溶け込んでいる。すべての要素がしっかりと馴染んでいる。素晴らしい・・・。「A・A シャルドネ 91」、こちらも上記の「テルラーネル 91」と同じような個性。多少値段が張るものの、是非試してもらいたいワインだ。「A・A ラグレイン ポルフィル(Lagrein Porphyr) リゼルヴァ 99」、試した唯一の赤ワイン。サクランボ・ラズベリーやチョコレートスパイスの印象。独特の青っぽい野性的な香りがあり、ジビエなどの癖のある料理とピッタリ合いそうだ。
僕の意見では、このカンティーナが造る白ワインが、イタリア白ワインの最高峰だと思う(今のところ)。なんといっても、一番安い価格帯のワインが素晴らしい!!どのワインも、あとに書く「サン ミケーレ アッピアーノ」のような派手さは無いものの、他のどのカンティーナにも負けないエレガントさ・優雅さ・洗練さがある。たっぷりでも繊細な酸味、ボディーを豊にしているミネラル、ふくよかで豊でも主張しすぎない香り。すべて僕の好きな要素が詰まっている。料理と合わせやすく、飲んでいる人を和ませてくれる。やっぱり来て良かった。
午後は、この辺りの大きな生産者、「サン ミケーレ アッピアーノ(San Michele Appiano)」。日本でもだいぶおなじみのカンティーナ。天気に恵まれ、外ではバリックの中にたまった澱を洗浄する作業が豪快に行われていた。お湯を高圧で噴射して洗っていたが、中からは薄茶色のひっきりなしに水が流れ出てくる。バリックの中はこれだけ澱がたまるのかとよく分かった。
カンティーナは、バンフィーとは言わないがかなり大きな施設だった。何十年も使っているという建物があり、地下4・5階。当時は全部手で掘ったそうだ。そこは今はほとんど空っぽ。今年収穫するワインのためにあけてあるよう。
ここのワインは最近どのガイドブックでも評価が高い。それは、「サンクト ヴァレンタイン(Sanct Valentin)」という最高のブドウを使ったシリーズ。ガンベロロッソでもいくつもトレビッキエーリに輝いている。ここのワインの特徴は、インパクトの強さ。鼻を近づけた瞬間、口にワインを入れた瞬間に、何か弾けたかのように風味が広がる。さて、ここで書くのはその最高のワインたちだけにしよう。なにせ、この地域のカンティーナ、造ってるワインの数が多すぎる・・・。中でも評価の高い「A・A ソーヴィニョン 2001」、バリックを使わずにソーヴィニョンの香りを大切に醸造されている。強烈な香りが鼻に入ってくる。熟したリンゴやパイナップル、青いトマトの印象。凝縮された1本。次は「A・A ピノグリージョ 2000」、バリックで11ヶ月熟成され複雑さがある。口に入れた瞬間、素晴らしい凝縮感、ミネラルの感じすぐに広がる。次は「A・A ピノネロ 99」、若いフルーツの印象が強くタンニンはよく熟しているが、口の中が乾くほどしっかりしている。バリックで15ヶ月熟成されている。ほどよい酸味が味わいを引き立たせている。最後には、「A・A コンテス(Comtess) 2000」、70%はゲヴルツトラミーネルでソーヴィニョンとリースリングをブレンドした、デザートワイン。こちらも評価が高い。よく熟した黄色の果実、ハチミツやアンズのジャムの印象。バリックは使わずに、ブドウの風味を大切にして醸造されている。
さて、今日はこの辺で評判のリストランテ、「ズール ローゼ(Zur Rose)」で食事。贅沢なひと時でした。
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